【スーパーのお刺身の取説】 〜安東徳子のごきげん語録655 8月16日〜
【スーパーのお刺身の取説】
打ち合わせが長引く
...
18時に終るはずの
打ち合わせが長引く
...
ロールキャベツが
消えかける
...
久しぶりに
帰ってきた夫に作る
ロールキャベツが
消えかける
...
ひき肉とキャベツを買って
ワインも買って
チーズも買って
...
切らしていた
ペーパーナプキンも買って
...
大きなキャンドルも買って
...
そして
夫の
大好物
...
ロールキャベツが
登場する
...
久しぶりに帰ってきた夫と
ラブリィな時間を過ごす
シナリオが
少しずつ
消えかける
...
打ち合わせは
終わりそうにない
...
買い物をする時間も
お料理をする時間も
お部屋をセットする時間も
...
打ち合わせが
１分長引く度に
...
１分ずつ
消えていく
...
ロールキャベツと
キャンドルと
新しいペーパーナプキンが
消えていく
...
そして
打ち合わせが
終わった時には
...
完全に消えている
...
もう
時間が
ない
...
お買い物も
お料理も
お部屋のセットも
時間がない
...
明日になっちゃう
...
こうなると
最後の手段
...
困った時の
最後の手段
...
駅前の
スーパーの
お刺身
...
いつでも売ってる
すぐに食べられる
...
駅前の
スーパーの
お刺身
...
情けない
気持ちになる
...
いい加減に
生きている気持ちになる
...
ギラギラの
プラスティックの器に
盛り付けられた
スーパーのお刺身
...
これが
大事な夜の
メインディシュだなんて
...
情けなくて
今夜は
ファスティングナイトに
しようかとも
思うくらい
情けなくなる
...
そんな時こそ
"ごきげん思考"
...
そのお刺身
海から運んでくれたのは
誰？
...
そのお刺身
解体してくれたのは
誰？
...
そのギラギラの器に
盛り付けてくれたのは
誰？
...
その大根のツマ
カットしてくれたのは
誰？
...
家族と離れて
遠洋漁船で
働く漁師さん
...
子供を置いて
パートで働く
お母さん
...
ギラギラの器を
毎晩 徹夜して
デザインして
製造して
納品している
工場長さん
...
いろんな人が
少しずつ
大事なものを犠牲にして
"ここにあるお刺身"
...
自分と
お刺身との関係は
夜10時すぎた
20%オフのシールがついた
"お刺身でいいや"
の関係ではない
...
会った事はないけど
大切な時間を
少しずつ我慢して
作ってくれた
人々との
絆の時間
...
感謝の時間
...
ありがたく
いただこう
...
大根のツマは
もう一度水にさらして
...
お刺身は
お気に入りの
有田焼の大皿に
盛り付け直して
...
今夜の
大切な
夫との時間を
支えてくれた
"スーパーのお刺身"に
敬意を表す
感謝を伝える
...
スーパーのお刺身にも
人々の愛が詰まっている
...
ごきげんな愛が詰まっている
about the photo : "ごきげん語録"の生みの親@ウエディング・ジョブさんの桑田和代氏 ごきげんな企画会議
