【親切な仕事をする人達】 〜安東徳子のごきげん語録842 2月20日〜
【親切な仕事をする人達】
村上春樹の新作は
2017年2月24日発売
...
1979年の"風の歌を聴け"
からのファンであれば
もちろんのこと
...
1987年"ノルウェーの森"
からのファンでさえ
...
新刊は
何よりのプレゼントであり
...
さらにそれが
二部構成の長編
ともなれば
...
クリスマスと
お誕生日と
オリンピックと
結婚式が一度にくるような
興奮状態となる
...
読みたい！
絶対に読みたい！
...
絶対に
発売日に読みたい！
...
ハルキストも
村上主義者も
さらには
村上チルドレンさえ
...
読みたい！
絶対に
発売日に読みたい！
...
それなのに
その日は会議で
残業だから
本屋さんに行けない...
...
その日はイベントで
ビックサイトで缶詰だから
本屋さんに行けない...
...
その日は事務所で
留守番だから
本屋さんに行けない...
...
案外
本屋さんに行くのは
難しい
...
案外
特定の日に
本屋さんに行くのは
難しい
...
パートとフラダンスで忙しい
母親にも頼めない
...
老人会と病院通いで忙しい
おばあちゃんにも頼めない
...
管理職昇進試験で忙しい
妻にも頼めない
...
時間はあるけど子育て中の
友達にも頼めない
...
誰にも頼めない
...
絶対に読みたい村上春樹を
発売日に買うのを
誰にも頼めない！！！
...
だから
頼む
...
この切実な願いを
叶えてくれる人に頼む
...
会った事もないけど
名前も知らないけど
...
この切実な願いを
叶えてくれる人に頼む
...
それが
EC
...
それが
ネットショッピング
...
それが
宅配
...
宅配のドライバーさんは
神様のような存在
...
母親も
おばあちゃんも
奥さんも
友達も
叶えてくれない願いを
黙々と叶えてくれる
...
雨が降ろうと
雪が積もろうと
暑かろうが
寒かろうが
...
黙々と
運んでくれる
...
大変な仕事を
イヤな顔をせず
黙々と
運んでくれる
...
こんな親切な人達がいるだろうか？
...
家族だって
友達だって
なかなか叶えてくれない事を
...
一気に引き受けてくれる
親切な人達
...
こんなに親切な人達が
いつまでも
親切でいてくれると
いい気になってはいけない
...
親切な人達も疲れる
...
親切な人達も
別の疲れない仕事を見つける
...
親切な人達も
やがて
歳をとり
リタイアする
...
そして
人が
いなくなる
...
親切な仕事をしてくれる人達が
足りなくなる
いなくなる
...
Amazonさんが
どんなに便利なサービスを
企画しても
...
全国お取り寄せサイトさんが
どんなに美味なお菓子を
アップしても
...
最後の最後は
人がやる
...
最後の最後は
人が運ぶ
...
その
大変な仕事を
一気に引き受けてくれる
親切な人達が
いるからこそ
...
自分たちは
"ごきげんな便利さ"を
享受できる
...
人がいるから
ごきげんになれる
...
人のおかげで
ごきげんになれる
...
今日から
ドライバーさんと
すれ違う時は
笑顔で
"いつもありがとうございます"
とお礼を言おう
気持ちを伝えよう
...
親切な人達は
人が笑顔になるのが
大好きなはずだから
...
笑顔のお礼を
言葉で伝えよう
...
村上春樹の新作を
発売日に手にできる
ごきげんのお礼を
きちんと伝えよう
about the photo : ギリギリセーフ！ 最終日の"徳川将軍家の婚礼"展@東京両国 江戸東京博物館
